〜N e w's〜
***********************************
2003.5.29 読売新聞夕刊より
記事内容は下に写してみました
長いですが、興味のある方は読んでみてください。
カイトー青い羽を持つインコ。
滋賀県出身の奥村清美さん(33)が柔らかいタッチで描く、心和むキャラクターだ。
この青い鳥とその仲間たちが、ひそかな人気を呼んでいる。
書店や雑貨店ではお目にかかれないこのキャラクターを、
北海道から広めるのが、「フリーアーティスト」を自称する奥村さんの夢だ。 (門間 順平)
奥村さんは、故郷・滋賀県の中学校で六年間、美術を教えていた。教職を辞し、一台のワゴン車に
一羽の青いインコを積んで、ふらりと北海道に移り住んだのは、一九九七年春。
なぜ、と聞かれても、はっきりと答えるのは難しい。
奥村さんは、「教師のときは子供のためにと一生懸命やった。それはやり尽くしたから、
今度は自分のためにやりたいことをしたかっただけ」と話す。
北海道は、テレビドラマ「北の国から」であこがれていた土地だった。
札幌で不動産屋などのアルバイトと家庭教師をして暮らす。
そんなとき、フリーマーケットで一枚の作品が客の一人の目にとまり、五千円で売れた。
教員時代に個展を開いたこともあるが、お金になったのは初めて。
「時間と画材をかけ、描いているので五千円でも割りに合うわけじゃないけど、
そんなことを抜きにして、ただうれしかった」
それを機に、札幌の商業ビルの一角に店を出し、似顔絵を描き始める。
ついでに描きためたキャラクターたちも一緒に並べてみた。
似顔絵とは対照的に、それらをあしらったポストカードなどは売れ、ファンもついた。
良いときは日に二、三万円の売り上げになったが、悪い時は二、三百円という日も。
「関西人なんでセコイんですよ。なきゃないで、やっていける」と奥村さんは笑う。
描き方はちょっと風変わり。
固形のパステルをナイフで削り、粉を直接、指につけ、画用紙に走らせる。
下書きはなし。指のもつぬくもりが表れるのか、彼女の絵は、どこかふんわり、あたたかい。
「うまいとは思わないけど、ほめられるのは、たとえ一枚千円の絵でも、心を込めて描いているからかな」
自信があるのは連れてきたインコをモデルにした絵だけ。
海を渡って一緒に来たから海渡(カイト)。
「似顔絵の店を出してもみんなが振り向くわけじゃない。
そんな時、周りを忘れて描いたカイトに助けられた」と奥村さん。
「キャラクターは、だれでもまねして書けるけど、カイトたちの世界を自由に描けるのは私だけ。
だから、私はフリーアーティスト」と話す。
「北海道に来て、めっちゃよかった」と奥村さん。
次の夢は「カイトのファンを広げる」ことだ。
***********************************